前を向くために Part3

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人生、前向きに生きたいもの。でも、何かと後ろ向きになりがちな自分がいるのです。前向きに生きるには、まず前を向かなければなりませぬ。じゃあ前を向くためにはどうしたらいいの?と日々悩んどります。これはその記録の一部です。

「監視される社会」を観て考えた

特に、アメリカ当局が社会を監視することについて、テロ防止を言い訳にしていることに対し、なぜ討論者は「なぜアメリカはテロの標的にされるのか」に言及しなかったのだろうということに、強い違和感を覚えたことをメモしておく。

アメリカは、自らがとても傲慢であることに気が付いていないのだろうか。アメリカは「セカイの警察」を勝手に自認し、世界全体にアメリカ式の自由民主主義を広めることが正義だと信じているらしいように見える。しかし、セカイはアメリカのような価値観だけではなく、いろんな価値観があるのだ。例えば、イスラム社会では、まったく違う価値観があるように見える。そして、まさにアメリカは、イスラム社会からテロの標的にされているのである。

アメリカは言う。テロを防止するためには「監視」が必要なのだと。そうだろうか。それが一番なのだろうか。僕は違うと考える。テロを防止することよりも、テロをしたいと思わないようにすることのほうが重要なのではないだろうか。つまり、「テロをしたい人々」を監視し、規制するのではなく、「テロをしたい人々」をなくす努力をしたほうがいい、ということだ。

なぜ世界からテロが無くならないのか。そこのところをよく観察し、分析し、議論をし、そして対策を打ってゆく努力が必要とされているのではないだろうか。もちろん、すでに動いていることはある。しかし、まだ足りない。全然足りない。アメリカをはじめとする各国や国際機関は、お金の使い方を間違えてはいないだろうか。もっと、貧困や差別をなくし、格差社会を解消してゆくことに、お金を使うべきではないのか。テロ防止のために世界中の街に監視カメラをまるでゴキブリのように増殖させるよりも、そのほうがよほどテロ消滅に効果があるように思う。国内外の貧困に目をつぶらず、健康保険や生活保護などの社会保障制度や教育無償化制度などの充実をしてゆくことが重要だ。

たとえばアメリカ議会は国民皆保険制度を否決したが、あれはいかにも自由の国アメリカらしいと思うけれども、方向としては間違っている。国民皆保険制度は必要だ。誰でも適切な医療を受ける権利を奪ってはならない。

そして社会保障以上に重要なのが、教育制度の充実だ。なぜなら教育は「人を作る」ことだからだ。無料で高校程度の教育までくらいは受けられるようにすること。そして、国家、民族、宗教、思想などに偏りのない、普遍的で多様な教育をすること。世界にはいろんな国があり、いろんな民族、宗教、思想があって、いろんな考え方があるということを、偏りなく教えることが、とても重要だと考える。さらに、優秀な子供には、その優秀さを伸ばす教育をしてゆくこと。誰にも得意不得意はあるのだから、子供たちには、自分は何が得意なのか、何が好きなのかを気付かせる教育が必要なのだ。今の世界は、もしかしたらものすごく貴重な人材、例えば将来の偉大な学者や大作家や大作曲家や大画家を、才能が開花しないうちに、死なせているかもしれないということに僕達は気が付く必要がある。何しろ、4秒に一人、子供が死んでいるのだ、現代の世界は。子供たちの無限の可能性を奪ってはならない。そうすれば世界は、もっともっと豊かになるに違いない。

監視カメラよりも他に、もっと有効で世界共通の発展に寄与するお金の使い方があるのだということを、僕達はもっとよく考えてみる必要があるのではないだろうか。僕は、監視される社会よりも、監視する必要のない社会のほうが、ずっといい社会だと思う。