前を向くために Part3

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人生、前向きに生きたいもの。でも、何かと後ろ向きになりがちな自分がいるのです。前向きに生きるには、まず前を向かなければなりませぬ。じゃあ前を向くためにはどうしたらいいの?と日々悩んどります。これはその記録の一部です。

食品偽装に見る日本の倫理観崩壊

もう次から次へと食品偽装が発覚しておりますが。これ、はっきり言って詐欺でしょう。『誤表示』などという軽い気持ちでいてもらっては困るのです。ウォール・ストリート・ジャーナルは『味の違いに気づいた人さえもほとんどいない』と報じているそうですが


味の違いに気づいた人はほぼいない」 ホテル食材偽装事件、海外と日本の報道に温度差

そういう問題ではないのです。WSJ は、気が付かなければ偽装してもいいとでも言うのでしょうか? それは顧客を騙していることにならないですか? 明らかにおかしいでしょう。おかしいと思わない方がおかしいです。WSJ が、これをおかしいと思わないのなら、WSJ という著名な新聞の見識を疑わざるを得ません。そうすると根は深いですよ。それともニューヨークのウォール街は、こんなお店ばかりなのでしょうか?

日本政府も調査に乗り出したようですけどね。ぜひ詐欺罪で立件して欲しいものです。

食品偽装をした人間は、商売人としての矜持というものが欠落しているように思えます。商売人の矜持とは何か。それは顧客に心を込めて商品を提供し、顧客が予想もしていなかったような満足をしてもらうように最善を尽くすということではないでしょうか。

予想通りのものを提供するだけでは、商売人としてはイマイチです。それは単に『当たり前』に過ぎません。当たり前な対応をすれば、当たり前な評価しかもらえません。当たり前な評価では、どこも一緒。別段お気に入りにすることも無く、その他大勢と一緒に、単なる選択肢のひとつにしかなれません。それでは過当競争の激しい現代では生き残れないでしょう。

商売とは、そういうものだと思うのです。何か一つでも、たとえば、考えて考えて考え抜いた、だけどちょっとした、さりげないお飾りをして料理をお出しするとか、そういう細やかな心遣いが、顧客の心をとらえるのです。そうすれば、自然と商売繁盛するのではないでしょうか。

顧客を裏切らないこと。良い意味で顧客を驚かせること。思いがけない体験をしてもらうこと。そうすれば、顧客はまた、その店を選んでくれるでしょう。友達に『いい店』として紹介するかもしれません。ブログとか、あるいは食べログみたいなところに書くかもしれません。顧客が、頼んでもいないのに、宣伝してくれるのです。そうすれば、その商売は人の知れるところとなり、『行ってみよう』という気持ちにつながるでしょう。もちろん、リピーターにも、前とは違う喜びを提供できるようなお店。そういうお店に人は惹かれるのです。

にもかかわらず、顧客を裏切る、今回の食品偽装事件。これは決して『誤表示』などという軽い言葉でやり過ごせるものではありません。本当の商売人なら、当然、表示と商品が合っていることを確認するはずです。本当の商売人には、『誤表示』など、そもそもあり得ません。これは明らかに、確認をしなかった『手抜き』ですし、納入業者に騙されたと言うのなら、そこに騙すスキがあったということを自ら認めてしまったに過ぎません。そんなことを言ってしまったら、また騙されますよ。騙す業者の方も商売人として失格ですが、騙される方も失格です。ましてや、牛肉に脂肪を注入してステーキとして出すなんて、もう完全に確信犯です。明らかに、騙そうとしてやっています。これはもう立派な詐欺でしょう。


私はここに、またしても、日本人の倫理観の崩壊を見るのです。

どこぞの議員の天皇直訴問題も同じです。法律がどうのこうのという以前の問題。日本人の一般常識です。彼の行動は、日本人として、あり得ないでしょう。ご年配の方々は立腹された方々も多いのではないかと想像するのですが。彼が二度と選挙で当選しないことを祈るばかりです。東京都民は、愚かな選択をしてはなりません。東京都民の恥になってしまいます。

もっと身近な問題を提起しましょう。タバコのポイ捨て問題です。今、タバコの吸い殻や空き缶などのポイ捨てを条例で禁止する自治体が増えています。私が住んでいる自治体でも、全域で禁止しています。これは、ポイ捨てが日常化し、社会問題にまでなってしまったことを意味します。なぜ、ポイ捨てをするのでしょうか。自分達の街を自分で汚しているんだということに思い至らないのでしょうか。そして、それを見ていながら、注意もせずに通り過ぎる人々。みんなそうです。ポイ捨てを見かけても、注意する人はいません。あなたもそうではありませんか? 私は注意しますけどね。注意して逆ギレされて、交番に行ったこともあります。そこで8針縫う怪我までして。交番の警察官は注意しかしませんでしたけどね。本来なら2万円以下の罰金と条例にはっきり書いてあるのに。警察にしてこれですから、いわんや一般人をやでしょう。

このような案件に限らず、今の日本は、倫理観が崩壊しているとしか言いようがありません。いったい、日本はどうしてしまったのでしょう。どうしてこんなことばかり起こるようになってしまったのでしょう。モラルとかマナーとか礼儀作法とか道徳とか矜持とか信念とか意地とか誇りというものは、どこへ行ってしまったのでしょう。これは日本全体の問題です。恥ずかしいとは思いませんか。おかしいとは思いませんか。

かつての日本は、こんなではありませんでした。こんな日本にしたのは、他ならぬ私たち日本人自身なのです。それも、だいたい団塊の世代以降、今の30代後半くらいまでの大人が主犯格でしょう。大雑把に言えば、戦後生まれの、バブルを作り出し、それを崩壊させ、失われた20年を作り出した世代の大人です。私もその一人です。

子供の世界で言えば、いじめが深刻な問題になっています。いじめを苦に自殺する子供が後を絶ちません。子供の世界は大人の世界の縮図です。子供の世界で起こっていることは、すべて大人の世界でも起こっていることです。セクハラにパワハラブラック企業に追い出し部屋、最近ではマタハラなんていうものまでできてしまいました。子供は親の背中を見て育つと言います。此の親にしてこの子ありとも言います。大人の世界の歪みが、子供の世界にまで伝染してしまっています。

これは由々しきことだと、日本人の大人全員が認識する必要があるのではないでしょうか。もしこの深刻さに気が付いていないとしたら、それこそ問題です。これが当たり前と考えてしまうところにこそ、問題があるのではないでしょうか。

何とかしなければ、日本全体が信頼の無い国になってしまいます。

では何をすればいいか。

まず、見て見ぬ振りをすることをやめてみませんか?ポイ捨てを見かけたら、注意してみませんか。そこから始めればいいのです。ごくありふれた日常の中に、やったらいいと思うことはたくさんあります。私は、微力ながら、やっていますよ。大抵は大丈夫。捨てる方も内心は悪いと思っているので、注意すれば普通は拾います。たまに、悪いとも何とも思っていない人がいますが、そういう人は交番にでも連れて行けばいいのです。そうしているうちに、慣れてきます。注意することに勇気を必要としなくなります。そうなればあなたは力強い一歩を踏み出したのだと言えるでしょう。

行動を起こすことは、勇気のいることです。『義を見てせざるは勇無きなり』と言われますから。『勇』が無い人は行動を起こすことができないでしょう。そうやって逃げるのです。見て見なかった振りをするのです。誰かのことを言っているのではありません。あなたのことを言っているのです。あなたには、勇気がありますか。私は、立ち上がりましたよ。

繰り返しますが、これは日本人一人一人の問題です。何とかしましょう。何とかするために立ち上がりましょう。他人のせいにしないで、自分のこととして考えましょう。勇気を持って。ほんのちょっと、勇気を持ってみてください。すべてはそこから始まるのです。日本人の倫理観崩壊を止めるには、あなたの行動が必要なのです。