前を向くために Part3

プログラミング、音楽、外交問題、その他思いついたことを何でも公開

人生、前向きに生きたいもの。でも、何かと後ろ向きになりがちな自分がいるのです。前向きに生きるには、まず前を向かなければなりませぬ。じゃあ前を向くためにはどうしたらいいの?と日々悩んどります。これはその記録の一部です。

日本が自分の足で立ち上がるとき

アメリカ副大統領の日・中・韓歴訪が終わる。この歴訪で、アメリカがどんなに当てにならないかということを、いかにお花畑な日本人も、そろそろわかったのではないだろうか。アメリカがどんなときでも日本の味方をするわけではないということを。いや、アメリカは決して日本の味方ではないということを。

考えてみれば当然なのである。かつて日本は、アメリカに NO と言って戦争をやった国なのだ。未だかつて、アメリカに NO と言って本当に戦争をした国は日本しかいないのである。戦後にしても、そういう国は未だ出ていない。NO とは言っても、アメリカに攻め込むまではできていないのである。せいぜい 9.11 くらいのものだ。あれが続けば戦争にもなっただろうが、オサマ・ビン・ラディンにしてもアルカイダにしても、そこまでの戦力はなかった。逆にあれでアメリカ全体がテロ恐怖症となり、その後の戦争につながったのは知っての通り。それ以前にも、それ以後にも、今に至るまで、世界中でアメリカは戦争をしてきた。朝鮮戦争然り。ベトナム戦争然り。イラン・イラク戦争然り。湾岸戦争然り。アフガニスタン然り。みんな、アメリカが自国に攻め込まれたのではなく、アメリカが敵地に乗り込んで攻撃したのである。アメリカにとって、戦争は常に、外国での戦争であった。そして、アメリカ自体は安全だった。唯一の例外が、日本の真珠湾攻撃なのである。だから、アメリカにとって、日本という国は、第二次世界大戦において、最も危険な国だったのだ。ドイツでさえ、アメリカには攻撃しに行っていないのである。

だからこそ、戦後は日本に対して徹底的に骨抜きを図り、その上で日米安全保障条約によって自国に有利になるように持って行った。それがいわゆる戦後レジームなのである。これは、まぎれもなく、アメリカの属国であり、極東アジアにおけるアメリカの不沈空母であるということなのである。『それは違う』と言う前に、冷静になって、アメリカの国益というものを、アメリカが日本を使ってどう構築しているのかを、もう一度考えてみてほしい。誰でもわかることだ。日本中に米軍基地があり、特に中国・北朝鮮に対して戦略的に非常に重要な場所である沖縄という地域に、なぜあれだけ多くの米軍基地が集中しているのかということを、よく考えてみたらどうだろう。

アメリカは、自国の国益を考えて日米安保条約を構築し、ずっと運用してきたのである。決して日本のためにではない。『日本を守ってくれる』というのは、アメリカが日本を言いくるめる口実なのであり、日本人がそれをそのまま信じるのはお花畑でしかない。アメリカは常に、日本を利用してきた。戦後、日本を武装解除させたにもかかわらず、朝鮮戦争勃発で、アメリカは日本に何をしたか。自分の都合のいいように、軍隊を再編させたではないか。自衛隊という軍隊を。自衛隊は何も日本人が自ら作ったものではないのである。アメリカが作らせたのだ。アメリカというのは、そういう国なのである。自国の国益のためなら、どんどん同盟国に武装させるし、米軍基地も自国の都合で増強・移設するのである。日本人は、この現実を直視するべきではないだろうか。

安倍首相は、そんな『戦後レジーム』からの脱却を図っているのである。首相が盛んに戦後レジームからの脱却』と言うのには、わけがある。アメリカ頼み一辺倒では危険だ。もう戦後70年近く経って、日本はもうそろそろ自分の足で立ち上がる必要がある。アメリカが日本を利用するように、日本もアメリカを利用すれば良い。そして、日本はアメリカに言われた通りではなく、日本独自の価値観により、アジア諸国と友好的な関係を構築し、お互いに助け合う『仲間』になった方が良い。

そして今、まさにその時なのである。中国が金持ちになり、GDP で日本を追い越したのをいいことに、海洋進出をやり出した。かつて中国が貧しかった頃は、日本も中国の発展に協力した。莫大な ODA がいい例である。にもかかわらず、中国はそれを感謝することもなく、自分で豊かになったと勘違いし、どんどんわがままになっている。私は、中国を見ると、いつもハリー・ポッター・シリーズの、ハリーの実家、バーノン家のダドリーを連想する。体だけ大きくなって頭が付いて行かない、暴れん坊でわがままし放題のお子ちゃまだ。制御できないパワーポリティックスそのものである。中国には、『大中華思想という思想があることを忘れてはならない。彼らは自分達が世界の中心だと思っている。そして日本などは東の蛮族だと思っている。『東夷』というやつである。ちなみに、朝鮮半島は、その子分で小中華思想というものを持っていて、やはり日本を格下だと軽蔑しているのである。『卑日』というやつだ。彼らが日本を『恨(ハン)』するのは、格下の日本に併合されたということが我慢できなくて恨んでいるのである。ただの被害者意識ではない。

そういう情勢の中にあって、台湾もフィリピンもベトナムもマレーシアもインドネシアもその他 ASEAN 諸国はみんな、中国の強大化を懸念している。直接対立しているフィリピンやベトナムは、本当に仲間を求めている。より強い仲間、一緒に中国に対抗してくれる仲間を求めている。ASEAN 諸国を安倍首相が全部回ったのは、日本が ASEAN 諸国とともにあるということを ASEAN 諸国のみならず中国にもアメリカにもその他の国にも明確に打ち出すためにわざわざ訪問してまで示したことであり、これは非常に大きな、世界中へのメッセージを送ったのである。

日本が取るべき道はどういう道か。ここはまず、『損得よりも善悪』の考え方が必要だと思う。日本人には、常々どうも『国益』という考え方は、思考回路として組み込まれていないように私は感じるのだが。むしろ、言うのであれば、『国是』のほうが、日本人の思考に馴染むように思う。日本人は、世界中が驚嘆するように、東日本大震災のような未曾有の災害にあってもなお、秩序を守り、助け合い、思いやりを忘れない国民なのである。その心を持って、アジアという地域を、日本の周りを見渡したら、どう見えるだろうか。弱きを助け、強気を挫く、という人道的な見地に立ってみたら、どう見えるだろうか。自ずと、どう行動すれば良いのか、見えてこないだろうか。

ASEAN 諸国は、間違いなく、日本を見ている。日本が中国に立ち向かっているところを見ている。まだまだ ASEAN 諸国は、一つ一つの国は国力が弱く、中国には立ち向かえない。だから ASEAN としてまとまって行動しているのである。私達日本人は、彼らとともにあって、その上で世界第3位の経済大国として、果たすべき役割を引き受けなければならないのではないだろうか。今、アジアで中国に面と向かってものを言えるのは、日本しかない。ASEAN と歩調を合わせながら、中国に対しては先頭に立って文句を言うことが期待されているのである。もちろん、ASEAN とは、これからもずっと、助け合わなければならない。日本は経済面で積極的に支援をし、ASEANASEAN にできることで日本を助けてもらえば良い。ASEAN 諸国も、国土としては、日本と大差はないのである。しかもこれから人口ボーナスがやってくる。これからますます発展し、いつの日か必ず、日本に追い付く日が来る。中国や韓国が経済面で追い付いてきたように。中国や韓国の番は終わった。次は ASEAN が成長する番である。それを日本は徹底的に支援したいと思わないだろうか。信頼関係を築きたいと思わないだろうか。

アメリカや中国のような醜い大国になってはならない。間違ってもあのような『恥ずかしい国』『みっともない国』になってはならない。強大化する横暴なダドリー中国の暴走を許さないためには、人口規模と国土、海洋の規模で近付くように、ASEAN と共同歩調を取る必要がある。アメリカのようにあちこちに軍隊の基地を作るのではなく、艦船・航空機・兵器等の物資の直接貸与をして、それを効果的に運用できるように技術提供をし、彼らの意志で自立して日本とともに立ち上がってもらうようにしていく必要がある。それが日本にふさわしいやり方だと私は考える。そしてそれこそが、日本が第二次大戦で達成しようとした、アジアの自立なのである。どこかの政党の名前みたいだけれども、今こそ日本は立ち上がるときだと考える。立ち上がれ日本。立ち上がれ日本人。アジアの平和と共存共栄のために。それが日本の『国是』なのである。