前を向くために Part3

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人生、前向きに生きたいもの。でも、何かと後ろ向きになりがちな自分がいるのです。前向きに生きるには、まず前を向かなければなりませぬ。じゃあ前を向くためにはどうしたらいいの?と日々悩んどります。これはその記録の一部です。

ハムバッカーの結線の判別のやり方

ハムバッカーのピックアップがあるけど、メーカーがわからないしどういう配線になっているのかもわからない、わかるのは出ている線の色だけなんてことが、ギターの改造をやっているとよくある。割と困っている人がいるみたいなんで、ここに私の「突き止め方」を書いておく。なお、ピックアップのリード線は4本あるものとする。

必要なもの

  1. テスター
  2. ギター本体、アンプ、ケーブル
  3. できればヘッドホン

テスターは、これがないと調べるにもどうしようもないというものだし、自分でピックアップの配線をしようと思うくらいなら、あってしかるべき代物。なかったら買うべし。ギター、アンプ、ケーブルの類は、ギターを弾くんならあるだろーというもの。実際に音をならして耳を澄ませてノイズの音をよーく聞くので、できればヘッドホンは欲しいところ。別にアンプの音量を大きくしてもいいけどさ。知らんよ。うるさいって誰かから怒られても。

1. コイルの結線を調べる

最初に、テスターを使って、ピックアップの線を探る。つまり、どの線とどの線でコイルを巻いているかを突き止めるということ。これは単純に、テスターをオーム表示にして、ピックアップのリード線を適当に順番に当たっていくだけ。もしつながっていれば、テスターが反応して、おそらく8kΩくらいの値が出るはず。そうしたら、その2つのリード線はつながっている。こうして、線が4本あれば、2組のコイルが見つかるはず。どれかがつながらなかったら、そのピックアップはあきらめたほうが良いかもしれない。コイルが断線しているかリード線が断線しているかのどちらかだが、圧倒的にコイルが断線している場合が多い。しかもリード線との接続部分付近で。

2. コイルの巻きを調べる

ハムバッカーだから、2つのコイルは互いに逆巻きになっている。だからそれをシリアル接続すると、ノイズは打ち消し合って、シグナルは2倍になって、出力される。コイルを構成しているリード線の組み合わせがわかったら、どの線とどの線を接続するとシリアルになり、どの線とどの線を接続するとパラレルになるのかを調べる必要がある。


たとえば、赤と白と緑と黒のリード線が出ているとしよう。この色の組み合わせは非常に多いから。たまに茶色とかオレンジとかあるけどね。それで、1つ目のコイルが赤と白でできていて、2つ目のコイルが緑と黒でできているとしよう。この場合、2回試せば良い。まず白と緑を仮接続して、残った赤と黒を結線して音を聞いてみる。次に、白と黒を仮接続して、残った赤と緑で音を聞いてみる。

これには実際のギターとアンプを使う。もちろんケーブルも。ギターのフロントでもリアでもいいので、調べたいピックアップを実際に取り付け、弦を張る。全部張る必要はない。最も出力が出る、一番太い弦(6弦)だけを張れば用は足りる。あと、別にリード線は後ろに回す必要はない。ただ、何らかの方法でケーブルに繋ぐ必要がある。できればジャックを用意してそこに仮止めしたいところだが、何もなければケーブルに直接リード線を巻いても良い。

さて、この2つの接続をしてみると、明らかに違って聞こえるはずだ。ひとつは信号音が大きく、ノイズが小さい。もうひとつはそれとは逆に、信号音が小さく、ノイズが大きい。

信号の大きさもノイズの大きさも判断の根拠にするので、ここでヘッドホンが必要になる(あるいはアンプを大音量にする必要がある)。この違いはとても大きいので、聞けば大抵の人はわかるはずだ。これがわからないなら、それ以上の作業はやめたほうがいいと思う。素直にリペアショップに頼もう。

さて、我々が欲しいのは、もちろん、ノイズが少なく信号が大きい接続のほうである。その接続を書き留めよう。

3. アースを調べる

これは4回調べる。また、途中でハムバッカーの仮接続も接続を変えるので、ちょっと面倒。でもこれをやらないとバリバリノイズを拾っちゃうかもしれない。どういうことかというと、ピックアップの中には、ピックアップの中でどれかのリード線がアースにつながっている場合があるから、それを調べるということだ。そうなっているピックアップは決して珍しくない。結構よく遭遇するような気がする。

さて、やり方はこうだ。上の例で、白と黒を仮接続するとハムバッカーになるとしよう。この場合、両端は赤と緑になる。それで、赤を信号に(ケーブルの真ん中に)、緑をアースに接続して、ノイズの大きさを聞いてみる。このテストで問題にしているのはノイズの大きさであって、信号の大きさではない。信号の大きさはみんな同じはずだから。次に、その逆を聞いてみる。さらに白と黒を接続するとハムバッカーになるということは、赤と緑を接続してもハムバッカーになるということであるから、赤と緑を仮接続して、白を信号に、黒をアースに接続してみる。そして最後に、その接続で黒を信号に、白をアースに接続してみる。ノイズの大きさを聞くということを忘れずに。

これで、もしそれをアースにしたら、極端にノイズの大きさが小さくなる線が見つかったら、アースと結ぶ線はそれで決まりだ。これが決まると、どの線とどの線を結べばシリアル接続(ハムバッキング)になるのかも自動的に決まる。そうしたらEntwistle のサイトのPICKUP LEADOUT COLOUR GUIDE と比べてみるとよい。どこのメーカーか、わかるかもしれない。オレンジとか茶色とかのリード線を使っているピックアップは載っていないのであしからず。

このテストで、どの線をアースにしても、ノイズの大きさが変わらなかった場合は、これはつまりどの線をアースにしても良いということだが、どれとどれを結べばシリアルになるかという観点で Entwistle のサイトの図を見てみると(2パターンあることに注意)、やはりどのメーカー系のものかがわかるかもしれない。もし同じのが見つかったら、それに書いてあるアースへの線の色が、アースへの線の色となる。

4. 終わりに

どうだっただろうか。自分が持っているピックアップのアースまで、一意に決まっただろうか。そうであったらおめでとう。そうでなかったら、それでも、これでどう繋げばハムになり、どう繋げばパラレルになるかはわかったはずだ。これでタップスイッチの配線が決められる。私はこうやって決めている。

なお、タップスイッチの配線をどうやるかは、あちこちに情報があるので、検索してみればわかる。「デュアルサウンド」「フェイズアウト」「シングルコイル」「タップ」「ハムバッキング」「シリアル」「パラレル」「シリーズ」辺りが検索語になろうか。